【統計法第30条】とマンション管理会社の対応について

会員執筆・賃貸管理コラム

はじめに

国政調査の時期になり、調査員からの空室確認などが増えてきました。
空室といえど建物所有者の個人情報に該当するのでは?
そこで、どのような対応をすれば良いのか知らべてみました。

国政調査で様々な問い合わせがあるのは下記の法律を根拠にしています。
(統計法第30条第1項)

【第30条第1項】 行政機関の長は、前条第一項及び第二項に定めるもののほか、基幹統計調査を円滑に行うためその他基幹統計を作成するため必要があると認めるときは、地方公共団体の長その他の執行機関、独立行政法人等その他の関係者又はその他の個人若しくは法人その他の団体(次項において「被要請者」という。)に対し、必要な資料の提供、調査、報告その他の協力を求めることができる。

この条文は、「行政機関の長は、基幹統計を作成するために必要があると認めるときは、地方公共団体や法人、個人に対し、必要な資料の提供や調査への協力を求めることができる」と規定しています。

ポイント整理:強制ではないが、軽視もできない

  • 条文上は「協力を求めることができる」とあり、法的な義務(強制)は課されていません。

  • しかし、国や自治体からの正式な依頼である以上、管理会社としては軽視することは望ましくありません。

  • 統計は国の政策形成や地域の実態把握の基礎資料となるため社会的にも貴重です。

マンション管理会社に求められる具体的対応

1. 依頼内容の確認

  • どの行政機関からの要請か

  • 協力依頼の目的(どの統計の作成に必要なのか)

  • 提供を求められている資料や情報の範囲

上記を必ず確認し、疑問点は依頼元へ問い合わせましょう。

2. 個人情報保護とのバランス

  • 管理会社が持つ情報の中には、住民の個人情報や契約情報が含まれています。
    提供の範囲は細心の注意が必要です。

3. 社内での対応フロー整備

  • 突発的に依頼が来ても混乱しないように、

    • 依頼受付 → 担当部署への連絡 → 提供可否の判断 → 実施・記録
      というフローを社内規程にしておくとスムーズです。

まとめ

統計法第30条は**「協力要請の規定」であって強制ではないものの、社会的・実務的には無視できない性格を持ちます。
マンション管理会社にとっては、

  • 依頼内容を精査すること

  • 個人情報保護を最優先すること

  • 社内の対応フローを整えること

が望ましい対応となります。

尚、私が運営する店舗へは調査員と名乗り携帯電話で空室確認がありますが、この場合は回答していません。
必ず調査員証の確認(総務大臣よりの任命)を行った上でどの部屋が空いているか回答します。
また、これ以上の情報提供は行っていません。

(参考)総務省統計局 国勢調査2025 マンション関係者の皆様へ
https://www.kokusei2025.go.jp/collaboration/apartment/



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