制度スタートから5年。賃貸住宅管理業の「初めての更新」を忘れていませんか?

会員執筆・賃貸管理コラム

先日、賃貸住宅管理業の登録の更新申請を済ませました。

賃貸住宅管理業法による登録制度がスタートしたのは、令和3年6月15日のことです。登録の有効期間は5年間なので、制度が始まってから初めての「更新」の時期を迎えている会社さんも多いのではないでしょうか。

宅建業の免許更新には慣れていても、賃貸住宅管理業の更新は今回が初めてです。私自身、何から手をつければいいのか、少し戸惑いました。

そこで今回は、実際に手続きをしてみて感じたことも交えながら、更新で気をつけたいポイントをまとめてみます。

登録の有効期間は5年。いよいよ初めての更新が始まっています

賃貸住宅管理業の登録は、5年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います(賃貸住宅管理業法 第3条第2項)。

制度がスタートした時点ですでに管理業を営んでいた会社には、1年間の猶予期間が設けられていました。そのため、令和3年6月から令和4年6月にかけて登録を受けた会社が多いと思います。

ということは、その5年後にあたる令和8年から令和9年にかけて、有効期間の満了が次々とやってきます。

まさに今、制度が始まって初めての「更新ラッシュ」を迎えているのではないでしょうか。

管理戸数が200戸以上なら、登録は義務です

あらためて確認しておきたいのが、登録が必要になる範囲です。

  • 管理戸数が200戸以上:国土交通大臣の登録が義務
  • 管理戸数が200戸未満:登録は任意

登録を受けずに200戸以上の賃貸住宅管理業を営むと、1年以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金(またはその両方)の対象になります(同法 第41条)。

もし更新を忘れて登録が切れてしまうと、200戸以上の管理業はそのまま続けられなくなります。もう一度始めるには新規の登録申請が必要になり、登録免許税として9万円がかかります。更新であれば、手数料はオンライン申請で18,000円です。その差はかなり大きいですね。

また、200戸未満で任意に登録している会社さんも、更新をしなければ登録は失効します。「登録業者であること」を貸主さんへの安心材料にしているのであれば、同じように注意が必要です。
※更新時は印紙となります。

更新の案内は届きません。有効期間は自分で確認を

ここが一番注意したいところです。

国土交通省の案内では、有効期間について「原則、事前にご連絡はしておりません」とされています。役所からお知らせが届くのを待っていると、気づいたときには期限が過ぎていた、ということにもなりかねません。

自社の有効期間は、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、「賃貸住宅管理業者」を選んで検索すると確認できます。

確認できたら、満了日と、その90日前の日付を、社内のカレンダーや手帳に書いておくことをおすすめします。

更新申請は「満了日の90日前から30日前まで」

更新の申請ができるのは、有効期間が満了する日の90日前から30日前までの間です。

申請期限が役所の休日にあたる場合は、翌開庁日が期限になります。反対に、30日前を過ぎてしまうと、更新の申請はできません。

私は、90日前になったらすぐに申請することをおすすめします。理由は3つあります。

① 書類の準備に意外と時間がかかる

納税証明書や住民票(個人の場合)を取りに行ったり、管理物件の一覧表をまとめたりと、思ったよりも手間がかかります。日々の管理業務と並行して進めるなら、なおさらです。

② 書類の修正(補正)が入ることがある

郵送の場合は消印有効とされていますが、国土交通省も、補正や要件不備の確認に時間がかかるため、できる限り早めに提出するよう呼びかけています。

③ 早く申請しても損をしない

更新後の有効期間は、元の有効期間が満了した日の翌日から数えることになっています(同法 第3条第4項)。早めに申請しても、5年間の期間が短くなるわけではありません。

実際に更新してみて気づいたこと

ここからは、私が実際に手続きをしてみて「これは知っておくと助かる」と感じた点です。

電子申請がおすすめ。ただし郵送するものもあります

申請は「賃貸住宅管理業登録等電子申請システム」から行えます。国土交通省も、電子申請のほうが郵送より早く処理されると案内しています。

ただし、更新手数料は収入印紙で納めます。電子申請の場合でも、登録申請書の第6面に収入印紙を貼って、原本を地方整備局へ郵送する必要があります。印紙の額は、オンライン申請なら18,000円、書面申請なら18,700円です。ここは見落としやすいポイントです。

必要書類は新規登録と同じ。宅建業者は一部省略できます

更新でも、必要書類は新規登録のときと同じです。
ただし、宅建業の免許を持っている場合は、一部の書類を省略できます(法人の場合は定款や登記事項証明書など、個人の場合は身分証明書や略歴書など)。

個人で申請する場合は、本人確認書類として住民票の写し(発行から3か月以内で、マイナンバーの記載がないもの)が必要です。

「業務の状況」の契約金額は、家賃ではありません

入力画面で迷ったのが「契約金額」です。これは家賃の総額ではなく、貸主さんから受け取っている月額の管理報酬の合計で、単位は千円です。

管理料が年額で決まっている場合は月割りにします。管理料が「家賃の○%」のように家賃に連動している場合は、申請する月に受け取る管理報酬額(見込み)を入力します。

管理物件一覧表

管理物件一覧表の様式は任意です。四国地方整備局には参考様式が見当たりませんでしたが、関東地方整備局が参考様式を公開しているので参考になります。

一覧表に載せるのは、申請日の時点で有効な管理受託契約がある賃貸住宅です。

業務管理者の資格証も確認を

業務管理者の欄では、資格を証明する書類を添付します。移行講習を修了した賃貸不動産経営管理士の場合は、賃貸不動産経営管理士の証(認定証書など)と移行講習修了証を添付し、修了証の番号を入力します。

財産の状況も要件のひとつです

更新にあたっては、直前の事業年度の財産や損益の状況が良好であること(債務超過になっていないことなど)が求められます。法人の場合は決算書、個人の場合は財産に関する調書の内容も確認しておきましょう。

徳島県の事業者の問い合わせ先

徳島県の事業者の申請先・相談窓口は、四国地方整備局です。わからないことがあれば、電話で相談できます。

四国地方整備局 建政部 計画・建設産業課
〒760-8554 香川県高松市サンポート3-33 高松サンポート合同庁舎
TEL:087-851-8061(代表)

おわりに

更新の手続きそのものは、準備さえ整っていれば、それほど難しいものではありません。

いちばん怖いのは、「うっかり忘れ」です。

制度が始まって初めての更新ということもあり、まだ有効期間を意識していない会社さんもあるかもしれません。まずは自社の満了日を確認して、90日前になったら早めに動きましょう。

周りの管理会社さんとも、「そろそろ更新ですよ」と声をかけ合えるといいですね。

参考



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